「図書館の学校」春号はクロアチア・ザグレブの図書館

2026年03月27日

マイティブック代表のまついきみこの連載「世界の図書館」が掲載されている図書館振興財団の機関誌2026年春号が発売されました。連載第56回はクロアチアのザグレブ国立・大学図書館です。  


独立という節目の年に、首都となったザグレブ

クロアチアの首都ザグレブが首都になったのは、1991年6月25日。ユーゴスラビアからの独立した日でした。

地中海沿岸の古都として海運と商業で栄え、歴史を刻んだ建物も優雅な図書館がクロアチアには多くあります。でも今回紹介したいのは、首都のザグレブに1995年に建てられた、クロアチア国立・大学図書館 で、他と比べると若い図書館。

その理由は……記事を読んでいただければ!(と少し宣伝チックか?)。

ガラスのキューブ図書館の外側
ガラスのキューブ図書館の外側
町が一望できるキューブの内側
町が一望できるキューブの内側

1990年代、旧ユーゴスラビアの国々は深い混乱の中にありました。あの「魔女の宅急便」のモデルとも言われる美しいドゥブロブニクでさえ、爆撃によって傷ついたほどです。そんな困難のただ中にあった1995年は、クロアチアにとって特別な年でした。「領土回復」を達成した一方で、セルビア人とクロアチア人の間に横たわる人道問題、そして戦後復興という重い課題に向き合い始めた年。その激動の時代に、希望の図書館が誕生しました。

図書館の計画はユーゴスラビア時代

クロアチア国立・大学図書館は、ユーゴスラビア時代に計画が始まり、独立後の1995年に完成しました。建築を手がけたのは、クロアチアを代表する建築家4名で、クロアチアの現代建築を象徴する存在となっています。その図書館の歩みが非常に興味深いのです。

ちなみに、それ以前の国立図書館は、ザグレブ市内のアール・ヌーヴォー様式の優美な建物で、現在はクロアチア国立公文書館として使われています。

2025年の春号で紹介した、99個のドームを持つ独創的なコソボ国立図書館はクロアチア人建築家アンドリヤ・ムトニャコビッチ(Andrija Mutnjaković)の設計です。クロアチアはコソボを独立主権国家として正式に承認する政治、防衛分野で強い協力体制を持っています。

ガラスキューブを見上げる書架
ガラスキューブを見上げる書架
本屋も見つけた!ザグレブ
本屋も見つけた!ザグレブ
ザグレブの街
ザグレブの街
ザグレブのラッシュアワー
ザグレブのラッシュアワー
知人の絵本作家さんを訪ねたという絵本評論家の広松由紀子さんとタイミングよくザグレブでミート。場所はもちろん居酒屋!
知人の絵本作家さんを訪ねたという絵本評論家の広松由紀子さんとタイミングよくザグレブでミート。場所はもちろん居酒屋!

バルカン半島シリーズの連載はおしまい

2024年の夏。バルカン半島を巡り旧ユーゴスラビアの国々の図書館を訪ねました。歴史と民族の複雑な関係を1冊1冊の本に詰め込んだ図書館もあれば、全て戦火で失われそこから再生への道を歩む図書館など、ざまざまな図書館との出合がありました。

雑誌「図書館の学校」では。セルビア、コソボ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、スロベニア、イタリア(トリエステのスロべニア)…、と毎号1館づつ紹介させていただきました。そして今号のクロチアにある図書館で、約2年のバルカン半島の(勝手に)図書館シリーズは終わりです。もっともっと、紹介したい図書館はあるのですが…。

そして、バルカン半島の旅には、国立国会子ども図書館の元館長で聖徳大学名誉教授の村山隆雄先生にご同行いただき、多様な視点での図書館探検を誘っていただきました。改めて感謝申し上げます。

約3週間のバルカン半島図書館の旅にご同行いただいた、村山隆雄元国立国会子ども図書館館長と司書さん
約3週間のバルカン半島図書館の旅にご同行いただいた、村山隆雄元国立国会子ども図書館館長と司書さん

冊子ご購入希望の方は下記図書館振興財団サイトからお問い合わせをお願いいたします。


これまで、約25年間で世界の図書館1000以上を巡っています。ご質問や感想など、お寄せいただければ嬉しいです。info@mightybook.net

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