「図書館の学校」夏号はサラエボの図書館

2025年07月10日

マイティブック代表のまついきみこ連載「世界の図書館」が掲載されている図書館振興財団の機関誌2025年春号が発売されました。連載第52回はボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボにあるガージィ・フスレヴ・ベグ図書館です。  


旧ユーゴスラビアの図書館を訪ねて

3回連続で、旧ユーゴスラビアの図書館を紹介しています。今回は、サラエボにあるイスラム系の図書館「ガージィ・フスレヴ・ベグ図書館」です。

1984年にサラエボで開催した冬季オリンピックは、レバノンや中国、台湾、北朝鮮が参加するなど平和の祭典と呼ばれていました。私は当時シンガポールの高校生で、寮にいる世界各国の留学生とテレビで見ていたことを思い出します。

サラエボは特に市民を巻き込んだ過激な民族紛争でたくさんの人が、街の中で亡くなりました。街中にはサラエボローズという、セルビア勢力軍の砲弾で死亡した跡を、赤い樹脂で埋めたマークがあります。道の上で、見つけると両手を合わせずにはいられません。ここで人が亡くなったのです。そんな悲しい場所が、オリンピック広場やボブスレー会場などにもたくさんありました。

ただ、現在はそんな負の遺産を観光資源にしながら、前向きに暮らしているという皆さんにお会いできたことで、少しほっとした気分にも。旧市街地には、観光客がたくさんいて、イスラム施設の周りでもお酒が飲めたり…。復興に向かう人々の姿には希望が見えます。

そんな様子を交えながら、サラエボの図書館の図書館訪問記事を書きました。

ぜひ読んでくださいね!!

歴的地区の景観と調和した建物。中はハイテク
歴的地区の景観と調和した建物。中はハイテク
館長さんと司書さんがお出迎え。元国立国会国際子ども図書館の村山館長と訪問
館長さんと司書さんがお出迎え。元国立国会国際子ども図書館の村山館長と訪問
カタールの援助で出来た図書館
カタールの援助で出来た図書館
このバナナの箱の活躍については原稿を読んでね。
このバナナの箱の活躍については原稿を読んでね。

もう一つの図書館シティホール

サラエボの国立大学図書館と東洋学研究所の図書館は、爆撃され崩壊。現在国立大学図書館はシティホールとして再建され、負の遺産で当時の悲劇を観光客に伝え平和への道標にしています。

ライトアtプされたシティホール
ライトアtプされたシティホール
昼はこんな感じ
昼はこんな感じ
再建された建物に本はもうありません。
再建された建物に本はもうありません。
街角の落書き。でも本当に起こったこと。
街角の落書き。でも本当に起こったこと。
燃えた本と戦火の中でのチェロ演奏
燃えた本と戦火の中でのチェロ演奏
ここが第二次世界大戦の引き金になったオーストリア皇太子射殺現場。
ここが第二次世界大戦の引き金になったオーストリア皇太子射殺現場。
博物館には子どもが見た戦争の品が展示されています。角田光代さんがこの「戦争の中の子ども博物館」を訪れカタログ本の翻訳をされたとのことでした。
博物館には子どもが見た戦争の品が展示されています。角田光代さんがこの「戦争の中の子ども博物館」を訪れカタログ本の翻訳をされたとのことでした。

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